2020 . 06 . 19

KHJひきこもり兄弟姉妹の会 担当者の体験や思い【中編】

KHJひきこもり兄弟姉妹の会の担当者の一人であり、ひきこもりの経験がある深谷守貞(ふかやもりさだ)さん。深谷さんの体験や思い、KHJ全国ひきこもり家族会連合会、KHJひきこもり兄弟姉妹の会の活動についてインタビューしました。【中編】では、KHJひきこもり兄弟姉妹の会の活動内容やきょうだいの声についてまとめました(担当:Sibkoto運営者 松本理沙)


③「8050問題」



Image

KHJ「兄弟姉妹の会」の参加者は、40~50代が7割弱を占める(2019年12月 第2回東京都ひきこもりに係る支援協議会の報告資料より)



「兄弟姉妹の会」の参加者の年齢層は、20代から70代までばらつきがあります。増えてきているのが40代、50代です。今までは親がひきこもり本人と生活していたけれど、例えば親が要介護状態になってしまったとか、親の死後のことを考えざるを得ない状況とか、親亡き後のことが分からないとか、実際に親が本人に関われない状況に陥ってお問い合わせ頂くケースが増えてきています。親が本人と関われなくなった時に、どうやって本人と関わっていけばいいのか分からない。そういう不安を訴えられます。

ひきこもりの長期高年齢化を表す「8050問題」という言葉がありますが、親80代・子50代になって、様々な困り事がより顕著に生じてくる現象を表す言葉です。この「8050問題」は、きょうだいにも大きな影響があります。

「兄弟姉妹の会」で必ずお伝えするのが、自分の人生を何よりも大切に、第一に考えて欲しいということです。先の「扶養義務」のことを説明しながら、精神的にも経済的にも余裕のところで関わっていって欲しいとご案内しています。きょうだいの方は、ご自身の家庭や仕事、社会的な役割がありながら、ひきこもり本人のことまで抱え込むことに不安や葛藤を抱く方が多いのです。

しかし、きょうだいは親代わりにはなれません。事実、ひきこもりの本人からも「親が自分を支えるのはやむを得ないが、きょうだいの世話にはなりたくない」という声もあるんです。不安や葛藤を抱えたまま、厄介者のように本人と関わることは、本人・きょうだい共に悪い関係性になりがちです。そのために不安や悩みを受け止めながら様々な社会制度や資源をご案内して、なるべく第三者や専門機関と連携を取っていく方法をご提案していきます。

ひきこもり本人のことでパートナーと不和が生じてしまう、というきょうだいもいらっしゃいます。義理の父母から責められたり、自分の両親の育て方を貶められたり。そうやって実家とパートナーとの家の狭間で、苦しむきょうだいも少なくありません。

「きょうだいなんだからあなたが面倒をみないと!」と遠慮のない親戚に責められたり、行政の窓口でもそういわれたという声もありました。いわゆる「世間体」という不確かなものの中で、道義的責任を追及されて苦しまれるきょうだいの方はとても多いのです。

社会的な事件が生じると、いつ犯罪を犯すか、自分たちが加害者家族になるのではないかという不安を抱く声もあります。本人に生きていて欲しくないという思いを打ち消せず、自分を責めてしまうきょうだいの方もいらっしゃいます。

再三申し上げますが、「兄弟姉妹の会」では、そういう自分の正直な気持ちを吐き出せる雰囲気を何よりも大切にしています。ひきこもり本人に対する思い、親に対する葛藤、先取り不安、現実に直面している困り事…、参加されるきょうだいの正直な気持ちを安心して話せることが何よりも大切なことです。

「8050問題」では、そういうきょうだいの思いがより強く生じてくることでもあります。
同じきょうだいという立場がもたらす安心感の中で、参加された誰かの正直な気持ちが自分の気持ちを代弁になる…それが同じ立場の方々が集う意義と効果でもあるんです。

通知

閲覧の確認

閲覧しようとしているコンテンツは、多くのユーザーが違反報告しており、不快な内容が含まれる可能性があります。閲覧を続けますか?