2020 . 06 . 19
KHJひきこもり兄弟姉妹の会 担当者の体験や思い【中編】
KHJひきこもり兄弟姉妹の会の担当者の一人であり、ひきこもりの経験がある深谷守貞(ふかやもりさだ)さん。深谷さんの体験や思い、KHJ全国ひきこもり家族会連合会、KHJひきこもり兄弟姉妹の会の活動についてインタビューしました。【中編】では、KHJひきこもり兄弟姉妹の会の活動内容やきょうだいの声についてまとめました(担当:Sibkoto運営者 松本理沙)

深谷 守貞 さん (特定非営利活動法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会)
「特定非営利活動法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会」本部事務局所属 ソーシャルワーカー。社会福祉士。(※プロフィールの詳細は、記事末尾をご覧下さい。)
KHJひきこもり兄弟姉妹の会について
KHJ「兄弟姉妹の会」は、2014年から本部で開催しています。家族会は親が中心に参加されるのですが、以前から兄弟姉妹のお立場での参加者もいらっしゃいました。親と一緒に分かち合いをされていたのだけれど、「ちょっと親の中では話しづらい」「自分の親への思いや負の感情を他の親に対して言いづらい」という声がありまして。それで兄弟姉妹の方だけの分かち合いの場を設けて、少人数で始めました。
兄弟姉妹の方はどうしても先取り不安に囚われてしまいがちで、様々な情報提供を通じて不安を軽減される場合も多い。それでフリートークの分かち合いと別に、ご相談をお伺いする時間を設けるようにしました。
今は、①相談会(グループ相談)と②居場所(フリートーク)の2部構成で毎月「兄弟姉妹の会」を開催しています。原則、毎月第一土曜日に開催しているのですが、2019年からはお問い合わせが多くて、第二土曜日にも開催することと致しました。
「兄弟姉妹の会」のお申込みは基本的には、先着順で受け付けています。私どものホームページと、それから「兄弟姉妹の会」に一度でも参加された方、過去にお問い合わせがあった方には、開催の度にメールでご案内しています。
①相談会(グループ相談)
相談会はグループ相談形式で行っています。最大4組まで受け入れています。グループ相談の時間は、11:30~14:00まで150分間です。お一組40分ぐらいの時間をお取りして、ご相談に応じています。
グループ相談形式にしているのは、きょうだいの方って割合と共通の困りごとを抱えていらっしゃる方が多くて、他の方のお話が参考になることが多いんです。もちろん守秘義務をお約束して、相談会に参加して頂いています。
グループ相談にしている効果としては、「同じ立場のきょうだいが他にもいる」という安心感を促す場合が少なくありません。課題を抱えているのは自分の家庭だけではないということ、課題と向き合う姿勢が分かち合われるということで安心感が生じるようです。実際に、他の方の前での相談に躊躇される方もいるのですが、グループ相談で他の方のお話しを聴けて本当に良かった…と満足されて帰られていきます。同じ立場ということの強みがグループ相談だと活かされるかと思います。
なるべく相談のハードルが低くなるように試みています。もちろん他の方にお話しを聞かれたくない、じっくりお話ししたいという方は、日時を調整して個別相談で対応しています。
会に参加される方々は、本人や家族のことを真剣に考えておいでです。ほとんどの方は自分のことではなくひきこもっている本人のために、自分の時間とお金を費やして「兄弟姉妹の会」に参加されるわけですから。
ある意味きょうだいは、親の立場とは違って、ひきこもり本人とは関わらないと自ら線を引くこともできる立場です。親が動かないから、親亡きあとに自分が支えなければいけないから、そういう様々な動機で「兄弟姉妹の会」に参加されます。
毎月、同じ方が相談会に申し込まれることは無いです。ただ、半年毎にとか、周期的に来られる方は何人かいらっしゃいます。本人にこういう変化があったとか、親の関わり方のことで自分に何ができるか相談したいとか、前回の相談から経過を踏まえてご相談を希望される方もいらっしゃいます。