2019 . 07 . 31

障がい児の親と専門家の立場で出来る家族支援に奔走[寄稿]

双子の息子たちに知的障害と自閉症スペクトラムがある芳賀久和(はがひさかず)さん。芳賀さんのお仕事やご活動、きょうだい会に対する思いについて寄稿して頂きました。

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芳賀 久和 さん  (トータル・ライフ・コンサルタント)

1974年(昭和49年)生まれの45才。大阪市西成区出身。桃山学院大学卒業後、大手住宅内装材メーカーに就職。東京7年、京都6年間と13年の営業経験を経て、現職の外資系金融機関に勤めながら、障がい者ファミリーの経済(お金)・就労・生活(住まい)の安心と平和を届けられるように活動中。

障がい者ファミリー支援のきっかけ


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私の家族は妻と今年中学に上がった双子の息子たちの4人家族です。実は双子の息子たちは3才の時に、2人とも知的障がいを伴う自閉症スペクトラム障害と診断されました。その時から私の人生は180度ひっくり返りました。当初勤めていた一部上場の内装メーカーは、全国に営業所があり非常に転勤の多い会社でした。自閉症のことを調べれば調べるほど、こだわりが強く、環境の変化に弱い彼らにとって、今後の転勤の多い生活は厳しいなと考え始めました。

そして転職を決意し、今の外資系の保険会社に入り、転勤がない、時間が自由、頑張れば頑張るだけ報酬を得られるという、個人事業主的な生き方を選択しました。現職も9年目に入りましたが、最初の2年間ほどは自分自身が生きていくのに必死の状態で金融の勉強、人脈作りに奔走しておりました。そして2年目を過ぎたころからようやく、私と同じように障がいを持っているお子さんがいらっしゃるファミリーに何か貢献できないかと思い、多くの活動を始めることとなりました。

障がい者ファミリーにおける親なきあとの課題


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私の中での障がい者ファミリーおける親なきあとの課題としては、大きく分けると3つと捉えています。①お金の問題 ②就労の問題 ③住まいの問題です。

お金の問題


現職の金融、生命保険等の知識と経験を活かし、将来どのように残し、またどのように管理していくのかなど、親の立場と金融のプロの立場で専門的にご提案させて頂いています。色んなご相談を受ける中でやはり一番多いのはこのご相談で、「いくら残せばいいの?」「誰がお金の管理してくれるの?」「どうやって残したらいいの?」という言葉はよく耳にします。年金や成年後見などの社会保障と組み合わせ、そして就労で得られる賃金なども加味して保険やライフプランの提案をして、問題解決をしていきます。私の新規顧客の8割以上は障がい者ファミリーで占めています。

就労の問題


障がいをお持ちの方々も、社会保障における障害基礎年金だけに頼るのでなく、少しでも賃金を多く得られるような、やりがいのある働き方が必要と考えています。そして逆に言えば会社経営者は、障がいをお持ちの方々を戦力として雇い入れる土壌を整備することでで、多くの納税者を作っていくという大きな社会的な使命を全うし貢献すべきだと思います。
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地元の京都市でですが、中小企業の経済団体である中小企業家同友会に所属し、障がい者就労の啓発活動をおこなっています。その経営者仲間と京都市における障がい者就労支援ネットワーク「CoCoネット」を作り運営しています。このネットワークは実習・就労したい福祉側からのオファーと地元の中小企業をマッチングして、実習が実現すればそれを就労につなげていき、就労が実現できればその会社で長く働き続けられるように、継続支援していくという仕組みです。企業・福祉・行政・医療機関・学校・メディアなど各専門分野のプロたちが集まって地域ネットワークとして根付き始めています。今後も1人でも多くの障がい者に就労の機会を与えることが出来ればと思います。

住まいの問題


ここで言う住まいとは、生活環境や地域とのかかわりも含めた住まいと捉えています。最近障がい者のグループホーム事業の新規法人の非常勤理事に就任しました。ただ単に暮らすだけのグループホームではなく、地域との交流や、多くの関わりの中で暮らしていけるそんな地域づくりをしていきたいです。子供の出身の療育園の「父の会」の会長や、障がい者の親・きょうだい・近しい身内のみで構成される「親なきあと相談室 関西ネットワーク」にも所属し、多くのご相談や情報提供もおこなっています。2019年7月27日、設立記念講演会を開き、「障がい者ファミリーの、障がい者ファミリーによる、障がい者ファミリーの為の」を合言葉に支援の輪を広げていきます。京都きょうだい会への参加もきょうだいを含めた家族支援をすることで、障がい当事者にとっても、きょうだいにとっても安心して暮らせるコミュニティーを作っていきたいです。
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「親なきあと相談室 関西ネットワーク」設立記念講演会の一コマ。




芳賀さんのご家族やご活動については、京都新聞の記事「地域で活躍できる社会へ わが子の障がい契機に奔走」(2017/05/09)もご参照下さい。

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