2019 . 05 . 31

北陸きょうだい会運営者の体験や思い

北陸きょうだい会の共同代表であり、知的障害のある双子の妹2人がいる金山敦さんと、発達障害の弟がいる高橋さん、同じく共同代表を務める松本理沙(Sibkoto運営者)が対談しました。

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金山 敦 さん、高橋さん(仮名)、松本 理沙  (北陸きょうだい会共同代表)

金山敦さん:1986年生まれ。富山県在住。2012年、知的障害と自閉症のある妹を撮影したドキュメンタリー映画『ちづる』(赤﨑正和監督)の自主上映会の実行委員長を務める。2018年、本業の傍ら「北陸きょうだい会」の立ち上げ、運営に携わる。
高橋さん(仮名):1986年生まれ。富山県在住。自主上映会の新聞報道を通じて、知人の金山も「きょうだい」であると知ったことをきっかけに、きょうだい会の活動に参加し始める。2018年、本業の傍ら「北陸きょうだい会」の立ち上げ、運営に携わる。

障害のある妹・弟のこと


松本 私のことは以前に特集記事になっているので、今回は金山くんと高橋くんの話を中心に聴かせて下さい。まず、障害のある兄弟姉妹について、教えてもらえますか。

金山 僕の2歳下に双子の妹がいるのですが、2人とも知的障害があります。妹たちが小学生の頃は、地元の小学校の支援学級に通いましたが、中学生以降は特別支援学校に通うことになりました。現在は就労継続支援B型の作業所に行っています。2人とも同じ作業所です。

高橋 私は弟が2人いまして、7歳離れている一番下の弟が、発達障害の診断を受けています。小学校の途中から、支援学級と普通学級を行ったり来たりしていました。最後の方はほとんど支援学級にいたと思います。中学校は普通学校の支援学級に通って、高校からは支援学校の高等部に通いました。卒業後は一般企業で就労しています。現在、障害者手帳は返納していると母から聞いています。私と弟には年齢差があるので、家の中では一緒に生活をしていても、学校で重なることはありませんでした。もう一人の弟の方が年齢は近かったので、同じ時期に同じ学校に通っていたが故の悩みを抱えていたのではないかと思います。

進学や就職、結婚への影響


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松本 進学や就職について、障害のある妹・弟がいたことで何か影響はありましたか?

高橋 福祉業界に身を置いていた時期があったのですが、やはり弟の存在は影響していたと思います。弟と接する中で、この経験が仕事に生きるかもしれないと。実際、本当に生きていたのかどうかは分かりませんけれども・・・。今は、福祉ではない業種に転職しています。

金山 僕に関しては、両親があまり妹のことに対して、何かを強制することがなかったことも大きいのかなと思うのですが、進学も就職も自分の希望を最優先していました。周りから言われることもなく、あくまで自分のやりたいことをやってきました。福祉とは関係のないところで働いています。

松本 私も含め、北陸きょうだい会の運営者には現役の福祉職の人が誰もいないことになりますね。会の参加者の中には、福祉職のきょうだいの方が一定数いらっしゃるけれども。結婚の影響についてはどうですか?金山くんにとってはタイムリーな話題になると思うのですが。
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金山 現在、結婚式を控えています。結婚相手には、付き合い始める前に自分の家族のことは話していました。相手は保育、幼児教育関係の仕事をしているからか、障害に関しては一定の理解があるように感じました。そこで、安心感があったようには思います。今年の冬に、相手の実家に結婚のご挨拶に行ってきたのですが、行く前は、障害に関するパワーポイントのプレゼン資料を用意していこうかなとか、そんなことも考えていました。妹について実際に話したのは、こちらから切り出す前に、「どのようなご家族なのですか?」という一般的な会話があり、その流れからお伝えすることになったのですが、こちらの想像より重く受け止められたように感じました。相手のご両親が、妹の状況を知らなかったということも大きいと思います。もしかしたら、高齢者の介護のようなものを想像されたのかもしれません。妹は今実家で生活していますが、過去に寄宿舎でうまく生活できていたこともあり、将来訪れるであろうグループホームでの生活についても、何とかなるだろうと考えています。楽観的かもしれませんが。
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高橋 自分は今、結婚しているのですが、実は妻も「きょうだい」という立場では共通している部分もあります。妻や妻の家族に対して、「実はこういう弟がいて・・・」というところに関しては、話が早く、すぐに理解して頂けました。向こうの家も、妻の弟のことに関しては、「じゃ、たぶん分かってくれるよね」というような、そういう態度だったかなというのは覚えています。

松本 そういえば、私、高橋くんのパートナーの方にきょうだい会でお会いしたことがないですね。話は脱線しますが、きょうだい会の運営に関わっているきょうだいで、パートナーも「きょうだい」の方だと、夫婦で一緒に会を運営しているような誤解をされることもあるのかなと感じています。当たり前ですが、きょうだい会への関わり方は人それぞれだということは、皆さんに知っておいてもらえると良いかもしれないですね。

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